4月に練馬春日に足を伸ばした際、通りかかったマスヤ酒店の店先に石川県能登地方の酒蔵、数馬酒造の銘柄酒「竹葉」を紹介するポスターを目にした。今年元旦に発生した能登半島地震では地域の11蔵で大きな震災被害が生じ、まだ復旧の目処が立たない酒蔵も多い。
お店の方に取り扱い酒「竹葉」の近況を尋ねてみると、数馬酒造から救出したもろみが同じ石川県の「天狗舞」の銘柄で知られる車多酒造や「手取川」の銘柄で知られる吉田酒造店に運ばれ、委託醸造されて醸造を終えた酒が入荷しているとのこと。
店内の奥の棚に、「竹葉 百万石乃白 大吟醸 Saved by 車多酒造」と「竹葉 純米大吟醸 Saved by 吉田酒造店」が陳列されており、それらは震災これまでの過程を想像すると奇跡の結晶と言って良い。その日は「竹葉 百万石乃白 大吟醸 Saved by 車多酒造」を1本を購入して持ち帰った。
数馬酒造に関する4月の報道を調べると、4月から3か月ぶりに酒造りの作業を再開したと伝えている。それまで震災で酒蔵の壁が崩れたり、津波で泥水が流れ込んだりして酒造りの中断を余儀なくされていた。例年、4月には酒造りを終えている時期であるが、今年は冷蔵室で仕込みをするなどして6月まで酒造りを続ける予定と言う。
沢山の人々の力を受けて醸造され、そして届けられ、震災を乗り越えた奇跡の結晶の酒。
グラスに注がれ頂く一杯に、むしろこちらが応援され、前向きな力が湧いてくる様な気がする。
原材料:米(能登産), 米麹(能登産米),
醸造アルコール, 原料米(百万石乃白100%)
精米歩合: 50%
アルコール度: 17%
外観 無色透明
香り ライチ、白桃の様なフルーティーな香り、しらたま粉の様な米由来の香り
粘性 ややある
味わい 上立香同様 ライチ、白桃、白玉粉の様な甘みを感じるやさいしい飲み口。
口の中で少しとろみを感じる。後半は辛口ででいくらでも飲めてしまう